レトロブライト後の再黄変経過観察実験【準備編】

まえがき

経年劣化というものは恐ろしい。大事に取っておいているはずのものが、年数を経るごとに減ったり、溶けたり、別物に変容していく。珠玉のコレクションはいつまでも美しく、色褪せず、完動品であってほしいと思うものだ。さらに欲を言えば冷凍庫に入れた食品は賞味期限が永遠になってほしい。

 

しかしそうはいかないのが世の常だ。去年の冷凍牡蠣が冷凍焼けを起こしてしまったことは仕方ないにしても、ゴム製品が加水分解でボロボロになったり、CDやDVDの記録面が腐食したり、プラスチックの強度が落ちたり色味が変わってしまったのを見つけたときはなかなかにつらい。主体がデータならバックアップを取り直すなり、物品でも大量生産品なら新品を買い直せば済むが、そうもいかないのが玩具やゲームなどの娯楽商品である。

 

玩具やゲームは、何年も安定して市場供給されるロングセラー商品の方が珍しい。大抵はそのとき限りの売り切りだ。商品におけるライフサイクルを考えると、食品や洗剤などの消費物を除き、最も早いスピードで世代交代が繰り返されているだろう。復刻品やリメイクが出たとしても、やはり当時品にしかない要素や価値があるものだし、見出してしまう。いかに美品・完動品を末永く残しておくかは、コレクターにとって永遠の課題となっている。

プラの黄変を戻すRetr0bright

経年劣化で起きる事象の中でも、プラスチックの黄変については完全とは言わないまでも幾分か回復させる方法が確立されている。Retr0bright:レトロブライトと呼ばれるそれは、黄変から回復させたいプラを過酸化水素水に浸し、紫外線を浴びせ続けることで還元反応を起こして黄変から元の色に戻す手法だ。元はゲーム機やレトロPC界隈で使用されていたが、玩具にも応用されるようになった。これは概要であり、細かな説明をここでするには長文になるため、詳しい内容・実施における注意点等についてはWikipediaや他のサイトを参照してほしい。

ja.wikipedia.org

 

再黄変問題

ところが、レトロブライト後に丁寧に保管していても再度黄変が進む事象が多数報告されている。押し入れなどの紫外線の届きにくい暗所に保管したり、箱詰め梱包をしていてもだ。それも10数年経過して起きた一度目の黄変よりも、はるかに早く再黄変が進むようだ。戻ると言ったほうが良いのかもしれない。

再黄変にまつわるナレッジを探してみたが、参考になりそうな体系立ったものはなく、個人の備忘録やフォーラムのコメント程度しか見つからなかった。再黄変対策については「表面をコーティングして酸素供給を遮断すれば大丈夫」とあったり「プラに含まれる臭化物が原因でありコーティングは無駄」とあったりと見解は様々だが、私が調べた範疇ではこれといった決定版の回避策はとうとう発見できずじまいだ。それどころか再黄変の事象そのものすら触れられていなかったり、条件が不明瞭なつぶやき程度しか見当たらない。検索エンジンでシュシュっと調べただけなので見落としがあるかもしれないが、やはり無さそうなので無いとみなした。知ってたら誰か教えてほしい。みんな知りたいと思う。

再黄変する条件を絞る試み

再黄変が起きてしまっている物品は私の手元にもある。だが経過日数や色味のビフォーアフターは記録していない。完全に元に戻ったのかどうかすらわからない。いずれ元に戻るのであれば、レトロブライトは役に立たないと結論付けるのも無理はなく、実際そう考えている人もいる。それなりに手間をかけて一度取り戻したはずの鮮やかさがまた元に戻ると失望も大きいだろう。それでも、どうにかして再黄変させないための方法は無いのだろうか?一発で回答が得られないにしても、わずかな手がかりから探していくことにはきっと意義があるはずだ。その一歩目を踏むために私が前々から構想していた実験を試みること、それが本記事の主題である。なお、この実験は長期間にわたるため、今回は前提条件を記載した準備編となる。結果が出るのは大分先となるため、リアル「クイズ正解は一年後」だ。

どうにかしてプラスチックのシンデレラにかけられた一時的な魔法を、時限を超えて持ち越そうではないか。

実験の内容

実験要旨

レトロブライト処置後、保管条件をいくつかのパターンに分け、再黄変の経過観察にて、何が再黄変の条件となっているか・軽減出来るのかを絞り込むのが目的になる。実験材料の条件は以下に記す。

 

①すでに1回目の黄変が起きていること。
②レトロブライトで黄変が回復する材質であること。
③元の黄変状況や材質を揃えるため、同玩具・同一個体であること。

 

この条件だと実験材料はかなり限られる。レトロブライトが必要なぐらい黄変しているものを、ピンポイントでわざわざ用意することは難しい。黄変自体が自然のヴィンテージものだからだ。なので、今回の実験の構想自体は前から頭の中にあったものの、どのようにやるかは考えあぐねていた。

結果的に、黄変が進んだ1パーツを選び、さらに小片に切断して条件別に保管するという案に落ち着いた。

実験材料

今回、実験材料として選んだパーツは以下になる。


旧タカラ(現タカラトミー)より1998年に発売されたスーパービーダマン「ブラストグリフォン」のレフトレオンの後頭部パーツ
だ。とは言うがこのパーツはライトイーグルとも共通である。ビーダマンは後頭部から給弾する機能があり、フタとしての役割を果たすこのパーツは、使用時に取り外されることが多い。中古流通では紛失されていることも多々ある。

ブラストグリフォンはビーダマンの中でも比較的中古流通数が多く、フリマサイトのまとめ売りでも常連入りしている。現に、私は部分的なパーツ欠品も含め7,8体程度所有しているが、どれも状態が悪かったのでシールを剥がして洗って保管していた。

黄身のような色にも写る

黄変は光の当たり方や撮影したカメラによっては、真っ黄色にも映る。黄変というのだからある意味当然でもある。一枚目および二枚目はプラモデルの撮影などに使う自前の白色灯のスペースでデジカメの接写機能をONにした状態で撮影しているが、三枚目は室内灯の下でスマホのカメラ機能を使って撮影したものだ。

 

肉眼で見た場合は茶色になっているので、感覚としての色味は一枚目と二枚目の方が正確だ。

 

今回はこのフタを16の小片に分割してみる。

 

この小ささのプラスチックを、さらに小さく切るにはなかなか骨が折れる。今回はホットカッター(はんだごてとカッターを合体させたような工具)を利用した。切断時のみとはいえ、プラスチックに熱が加わるのは影響としてアリなのかが頭の片隅に浮かんだが、レトロブライト前なので気にしないことにした。

4x4 Cut

それなりにうまく切れているが、熱で溶かしながら切るため切断面がとろけてバリのようなものが発生してしまう。観察に不便なため、普通のカッターでこれも削り取った。

今 春が来て 君はきれいになった

実験材料のレトロブライト処理手順

今回の必要分だけ処理した。

チャック袋に小片を入れ、過酸化水素水(ワイドハイターEX)を注水している

チャック袋を使うと、水槽状の器に注ぐよりも過酸化水素水の量を節約できる。また、水槽状の器を使う場合は、プラスチックが過酸化水素水の上に浮いてしまい表面が露出してしまうため、浮上対策の重しが必要になるが、チャック袋の場合は不要になる。その代わり、ふとした拍子にチャック袋がひっくり返って中身がこぼれないように注意しなければならない。

また、この状態で紫外線照射を受けると熱で蒸発して周辺に過酸化水素水が漂ってしまうので、蒸発を軽減するためにチャック袋にさらにジップロックで包んで2重構造にし、蒸発分をなるべく閉じ込めるようにしている。

アルミホイル箔を張った箱

今回はブラックライトを用いて紫外線を照射する。太陽光と異なり安定した光量を24時間照射し続けられる。6面アルミホイルの箱の空間内で紫外線が反射するため、理屈ではレトロブライト対象物の底面以外は紫外線を浴びることができる。

照射中のイメージ。ときおり様子を見て向きを変えるなど調整する

今回は1週間ほど照射し続けた。処置後の対象物はこのようになる。

どうだ きれいに なつたろう

一部UVコーティング処理も実施し、改めて並べてみる。

照射後の小片を、残しておいた小片と合わせて撮影

未処理分と比べると、レトロブライトの効果が確認できる。今回はほぼ元の色にまで回復していた。

※3段目左から2番目の緑の部分はUVコーティング時のミスで、使いまわしのペインティングクリップに残った塗料から色移りが発生したもので、今回は関係ないので無視する

実験材料の保管条件

各小片に対する保管条件は下記の通りとする。

条件一覧

一般家庭で出来る条件としては上記になるだろう。湿度は管理出来ないので諦めた。

 

マジックで裏にアルファベットを記載。Dはいらなかったが書いてしまった。

 

黄変した表面を研磨して取り除いた小片もパターンNとして用意した。削っただけでレトロブライト処理をしていない。こちらも経過観察をする。保管条件は密封、not暗所、UVコーティング無し、暖環境だ。

ヤスリでガリガリと表面を削った。粗目であるが確認が目的なのでこれ以上の処理はしていない

おわりに

さて、結果がどのようになるかがわからないが、条件関係なくすべてが再黄変する可能性ももちろんあるだろう。そうなればいよいよ抵抗の手段がなくなってくるのだが、個人的にはUVコーティングか冷所保管については少しは効果が出ないか期待している。研磨については再黄変は起きないと考えているものの、研磨しか対抗策がないのもなかなか厳しい。どうにかレトロブライト処理済のもので耐えきる条件が出てきてほしい。

もし、「こういう処置を増やすのはどうか」「このような条件下で保管できないか」などご意見あれば教えてほしい。出来そうであれば試したいと思う。

 

次の実験機会のために、黄変プラスチックをあえて作る天日干しを始めた

 

それでは次の経過をお楽しみに。

【BB爆外伝V】令和の今にクリスモンド考

「博士!爆外伝のアニメが動画配信サイトで公開開始されてる!」
「うむ、これはクリスモンドに関係があるのかもしれんな」

 

 

animestore.docomo.ne.jp

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はじめに

改めましてボンバーマンビーダマン爆外伝シリーズのアニメ配信おめでとう!
俺もボンボリが高いよ(後方ビードルフィン面)。

 

さて、爆外伝アニメ2作目である爆外伝Vでは、過去の時空に散らばったクリスモンドを集めるのがお話の大部分を占める目的となっている。

このクリスモンドについて、皆さんはどういうものか知っているだろうか?
実は私は最近までよく知らず、以下のような認識だった。

  • 元は聖剣ビーダキャリバーについた宝玉
  • 全部で12個ある
  • ビーダユニットの力の源に使われる
    (ユニットの特徴がクリスモンドの力の特徴を活かしたものになっている)
  • ひとつひとつ固有の意匠(マーク)がついている

前々からもう少し掘り下げてみたいという考えがあり、配信を機にアニメを情報源として気軽に確認できるようになったため、諸々調査した結果を整理したものがこの記事の内容になる。


意匠はどこで確認できるか

まず、12個のクリスモンドはそれぞれ固有の意匠があることがわかっている。
一覧化された資料を探したり有識者に尋ねたものの、どうやら無さそうという結論になった。(もしあったらこの記事そのものの意味がほぼ無くなっていた…)

 

調べるにあたり、参考にしたのは下記の通り。
①漫画
 一部のクリスモンドの意匠が描写されているコマがある。
②アニメ
 ・後期アイキャッチはCGで一部のクリスモンドが映っている。
 ・本編映像中にクリスモンドがアップで映った際に意匠が描いてあることがある。
  ※ただし作画では簡略化されていることが多い
③玩具説明書
 ビーダユニットの組立手順の完成部分に意匠が載っている。
④一部玩具のパッケージ裏
 ジークホワイターやナイトブラッカーなど、ユニット換装の説明に意匠が載っている。
⑤玩具ビーダユニット
 側部に力の源となったクリスモンドの意匠があり、ローマ数字の番号が付与されている。

ビーダユニット側面例

 

結果的には意匠を確認するだけであれば②アニメまでは確認しなくても良かったのだが、
③④⑤は後になってから気づいた&教えてもらったので余計な回り道をした…。しかし最終的には気づきもあったので無駄ではなかったようだ。

 

クリスモンド表一覧

クリスモンドの力を元にビーダユニットが開発されており、クリスモンドが使われていない&厳密な1対1対応ではないビーダユニットも存在するが、わかりやすさのためビーダユニット基準でクリスモンドを区別することにする。

そうして作成したのがこの表一覧だ。

ビーダユニット基準のクリスモンド表一覧



13種あるーーーーーー!!
何故そうなっているのかは、以降で説明する。

 

クリスモンドの意匠一覧

これが意匠(マーク)の一覧。かき集めた情報から私が描き起こした。素人なので微妙なズレがあったりするが許してほしい。

クリスモンドの意匠一覧

14種あるーーーーーーーーーー!!!
これも以降で説明する。

 

意匠についての注意書き

クリスモンドの意匠は、実は媒体によって微妙に異なっている。
ホーミングユニットの意匠を例に挙げる。

左:玩具説明書、右:アニメ後期アイキャッチ

意匠化されたユニットの細かい形状や、メタルビーダマの向きが異なっている。他の意匠もデザインのブレがあるようだ。そのため、私の独断と偏見で「こちらの方が良い」と思ったものを優先して採用した。実は描き起こしにはどの参考元とも100%合致していないものもある。ネガポジが反転しているものもあるが私のミスである。が、それもブレの影響とさせてほしい。(作り直すのつらいよお)

これはもうブレどころじゃないだろ、完全に別物じゃろがい!というのがジャイアントユニットである。本当に全然違う。なのでこれだけは特別扱いで2種記載した。細かい説明は後で記載する。

クリスモンドの採番手順

まず、クリスモンドの種別をつけるため、ビーダユニットの側部の意匠にローマ数字が描いてあるものを参考にクリスモンドに採番する。

すると、表一覧の黒字の行までが確定できる。

ビーダユニット基準のクリスモンド表一覧(確定分)

空いている番号は7、飛んで9,10,11,12だ。確定できていないのは下記の5つのユニットとなる。

・スーパーダブルメタルユニット
・ブローバックユニット
・ファイヤースキャンユニット
・サンダースキャンユニット
・ブリザードスキャンユニット

まず、ファイヤー/サンダー/ブリザードスキャンユニットにはローマ数字が描かれたシールが存在しない。ビーダコップ側戦力でないため、デザインから省かれたのだろう。


・スーパーダブルメタルユニット
・ブローバックユニット
は両方がIX(9)を示している。これはタカラ開発がミスったっぽい。

両方にIX(9)が書いてある

このIXに鋼の質感の表現がされているが、同じ模様ではないので「流用した際に変更せずに間違えた」のではなく、それぞれ作った際に数え間違いしたように見える。

 

ではどちらが正しいIX(9)なのか?
正しくない方は何番であるべきなのか?

 

いろいろ考えた結果、私としてはこのような結論に至った。

・ブローバックユニットの本来の番号はVII(7)である。
・スーパーダブルメタルユニットこそが真のIX(9)である。

玩具発売順は商品番号の通りだ。

VA-13 クリスホワイター(ハイパービーダユニット)
VA-14 クリスブルード(ホーミングユニット)
VA-16 クリスグリーバー(スーパーダブルメタルユニット)
VA-17 クリスブラッカー(ブローバックユニット)

※ちなみにVA-15はウェイブレット

 

クリスグリーバーのスーパーダブルメタルユニットの次に、クリスブラッカーのブローバックユニットが来るのだから

・スーパーダブルメタルユニット=IX(9)
・ブローバックユニット=X(10)

でも良いはずだ。

 

しかしこのようにするとVII(7)が欠番になる。

ブローバックユニットを10番目にした場合の残りの空き部分

ここにファイヤー/サンダー/ブリザードスキャンユニットを挿入すると、連番にならず玩具発売順でもアニメ登場順でもない並びで対応することになり、おかしくないだろうか?

 

ここで、仮定として「タカラの開発順」を考えてみる。

クリスシリーズの4体は、ビーダキャリバーに合体できる。逆に言えば、合体を前提としたデザインでなければならない。クリスホワイターとクリスブラッカーはそれぞれ上半身と下半身を構成する。さらにハイパービーダユニットとブローバックユニットが連結する、特に密接したギミックになっている。そのためほぼ同時期に、相互にバランスを調整して設計されたはずだ。ビーダキャリバーから逆算されているとも言える。構成メンバー4体まとめて同時期と言っていいだろうが、中心部の2体はさらに近い時期だろう。

しかし玩具発売順は、大型機でありライバルのくろボンが乗る機体は最後に発売する。ここに順番のズレがあるように見える。

 

想定のタカラ開発順(ビーダユニット番号)はこうだ。

・クリスホワイター(6)
・クリスブラッカー(7)
・クリスブルード(8)
・クリスグリーバー(9)

ここでなんらかの理由でクリスブラッカーのシールだけ少し後回しになったとする。そして後になってまだ残っていた工程を思い出した製作者は、シールを作る作業に改めて取り掛かる。発売順を思い浮かべながら。

・クリスホワイター(n)
・クリスブルード(n+1)
・クリスグリーバー(n+2)
・クリスブラッカー(n+3)

クリスブラッカーのシールを作るために、クリスシリーズが何番から始まるかを確認する。クリスホワイターがn=6だ。ではクリスブラッカーはn+3=9になる。このような経緯であれば、実際に起きている番号被りミスに納得できないだろうか?

この場合だとビーダコップ側戦力のVビーダアーマーで1~9を連番で埋めることが出来る。

 

あとはデビルアーマー分だけだ。敵方勢力なのでビーダユニットとしては9番以降の連番には設定上はならないが、ジャイアントユニットは13番だ。10~12が欠けている。なので以下のように割り当てる。

・ファイヤースキャンユニット(10)
・サンダースキャンユニット(11)
・ブリザードスキャンユニット(12)

 

公式の情報のみで断定できない以上、確定ではないもののここでは便宜上このように採番する。

私としての結論

ジャイアントユニットの扱い

(説明書にはジャイアントビーダマユニットと記載されているが、アニメではジャイアントユニットと呼んでおり、こちらの名称の方が他と並べやすいためこちらで記載する。)

ジャイアントユニットについては結構ややこしいことになっている。

まず、アニメではジャイアントユニットは対応するクリスモンドが存在しない。前述した内容では12個分が既に埋まっている。そしてビーダユニットの番号はXIII(13)だ。溢れていることが明示的に示されている。カーゴイエーガー自体は玩具の発売順・作中登場順でも比較的初期の方に出てきているが…

ジャイアントユニット

意匠が2種類?

ジャイアントビーダマの意匠は、各媒体のブレでは片付かないほどに異なるものが存在している。便宜上(X)、(Y)と峻別する。

左:X、右:Y

X.説明書・ビーダユニット側部に描かれているもの
Y.ナイトブラッカーのパッケージ裏面・漫画版に描かれているもの

 

これらの意匠が世に発表された順で整理するとこのようになる。

1999年3月下旬:カーゴイエーガー発売(ビーダユニット側部、説明書)
1999年4月下旬:ナイトブラッカー発売(パッケージ裏)
1999年6月30日:別コロ1999年8月号発売(漫画版の該当回掲載)

カーゴイエーガーの玩具が正式版と思いたいが、その後に発売しているナイトブラッカーと、その後に執筆されたであろう漫画で変わっているというのは不思議な話だ。

漫画版だけ違っていれば三鷹先生のオリジナルで意匠が起こされたと推定できるが、玩具のナイトブラッカーのパッケージ裏でも同じ意匠が使われているため、この意匠の発信元はタカラのはずである。

 

想像になるが、こんな感じの変遷だったのではないか。

ジャイアントビーダマの意匠(Y)が作られる
②カーゴイエーガー開発時にジャイアントビーダマの意匠が更新(X)される
③ナイトブラッカーのパッケージ裏のジャイアントビーダマの意匠を(Y)の方を使ってしまう
三鷹先生に作画参考としての情報提供に(Y)が送られる

 

当時はバージョン管理とかはっきりされておらず、デグレったのではないだろうか。
私は(Y)の方が好きだ。他の意匠と比べてでっかいビーダマなんだなってことがわかりやすいので。

 

そんなわけで、意匠は合計14個として扱いたい。

 

アニメ爆外伝Vのジャイアントユニット

カーゴイエーガージャイアントユニットを使用したのは39話だ。大分後半の話である。

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こちらはグレイボン博士開発ではなく、ジニアスボン開発でありクリスモンドの力は使われていない。「巨大にした分パワーが薄まってしまった」というギャグ展開になる。(しかしその後ちゃんと勝利する

そもそもカーゴイエーガー自体が輸送トラックであり、当初は戦闘用Vビーダアーマーではなかった。クリスモンドの力によってヘッドオン可能になったのである。

 

漫画版爆外伝Vのジャイアントユニット

ではやはりジャイアントユニットはクリスモンドに対応しないのか?ところが、漫画版では事情が異なる。
漫画版第2話「運び屋きいろボン登場!」できいろボンから手に入れたクリスモンドでジークホワイターのユニットがパワーアップし、ジャイアントビーダマを発射し勝利するシーンが存在している。

漫画版第2話引用

しろボンが「このクリスモンドはジャイアントビーダマの力を持ってたんだな!」とはっきり言っている。これはジャイアントビーダマのクリスモンドなのである。

 

 

 

 

 

そして第3話「くろい王子の正体は…」でしろボンの持つ2つのクリスモンドの意匠が確認できる。

漫画版第3話「くろい王子の正体は…」抜粋

片方がスーパービーダユニットに対応するクリスモンドとすると、もう片方がきいろボンから手に入れたクリスモンドの意匠だ(これが(Y))。

つまり漫画版には、ジャイアントビーダマの力を宿したクリスモンドが存在していることになる。きっと漫画版の世界では他のクリスモンドと入れ替わりなのだろう。

 

以上から、クリスモンドの対応ユニット数の合計が13個になる。アニメ版と漫画版の差異のためにそういう数え方になるということだ。

漫画版にもカーゴイエーガーが登場し、こちらは元からアーマーモードにヘッドオン出来るが、作業用とのことで戦闘には向かないという描写がある。なおジャイアントユニットは使用しない。

 

きいろボンに託されたクリスモンドの役目

アニメ版のカーゴイエーガーの登場経緯を整理してみよう。

きいろボン自体は3話から登場するが、カーゴイエーガーがアーマーモードに変形できるようになるのは、9話でクリスモンドの力を得たのがきっかけである。

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この時点ではバーストユニット形状のユニットを搭載しバーストシュートでデビルベーダーを撃退している。つまりこれはバーストユニットに対応するクリスモンドだ。

 

13話では、クリスモンドの力でバーストシュートが撃てるようになったユニットをあかボンに移譲している。

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12話までのアーマー戦闘シーンに絞って見直してみたが、ダイブレッダーはアーマーモード初登場から外見こそバーストユニットを搭載していたが、13話の移譲までは一度もビーダシュートを撃っていなかった。気づかないもんだなあ。

 

そして次の14話からカーゴイエーガーのビーダユニットはノーマルユニットに変わっている。

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前述の通り、アニメきいろボンはクリスモンドを一時的に入手している。その結果、運び屋トラックとしてのカーゴイエーガーがヘッドオン可能になり、戦闘能力を手に入れ、13話でバーストユニットごとあかボンに移譲した。「あかボンがバーストユニットの力を得るまで」という見方だと回りくどい話だ。しかし、「ビーダコップではないきいろボンがヘッドオン出来るようになる理由」として一時的にクリスモンドが経由されたと考えると必要な工程に思える。

 

ビーダキャリバー・パーフェクトモードにジャイアントビーダマが乗らない理由は、「クリスモンドの力を得たユニットではない」そして「ビーダコップ所属機ではない」からなのだろう。

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アニメ&玩具版でジャイアントビーダマがクリスモンドの力ではない理由

しかし、「ジャイアントビーダマはクリスモンドの力によるものである」と理由づけるのは説得力がある。大きくてハッタリが効いているし、わかりやすいパワーアップだ。遊びとして・設定としてバリエーションのあるビーダユニットの中で、何故ジャイアントビーダマがクリスモンドから外されたのだろうか?

 

これは推測でしか無いが、クリスモンドの力を持たないのはメタ的には「きいろボンのユニットだから」であり、きいろボンのユニットの割り当ては消去法と収まりの良さなのではないかと考える。


・しろボンは主役なのでスタンダードなユニットを持たせたい
・あおボン/あかボンには似合わない
・みどりボン(グラングリーバー)に持たせると、クリスグリーバーに移行した際にパワーアップが感じられない(ジャイアント→ダブルメタルビーダユニット)
・くろボンに持たせると、ナイトブラッカーでは後継機でパワーダウンに見え、
 クリスブラッカーでは合体時のおさまりが悪くなる(ビーダキャリバーは通常サイズのビーダマ撃ちたいでしょ)

・きいろボンはビーダコップではなく配送屋なので、大型の輸送機である
・大型の輸送機なので、ジャイアントビーダユニットを搭載すると見栄えが良い

 

まあ、エビデンスもない偏見での考え方の一つではあるが。


漫画版の違いもう一つ

そこまで大きな影響は無いが、漫画版ではサンダースキャンユニットに対応するクリスモンドの力が微妙に異なっている。
第3話「くろい王子の正体は…」ではカメカメカ大王の時代のトコナッツ島にあるクリスモンドがデビルベーダーに奪われており、ドクダンディが"氷の力"を振るっている。

漫画版第3話引用

サンダースキャンユニットの意匠ではあるが、雷ではなく氷の力になっている。これは「常夏の島に吹雪を起こしたい」という漫画の展開上の都合だろう。特に深い意味は無いように見えた。

 

レーザーユニットは?

ここまで全く触れていなかったビーダユニットが存在する。しろボンの中間搭乗機レーザーホワイターに搭載されているレーザーユニットだ。

玩具のレーザーユニットにはクリスモンドの意匠らしきものはない。赤いビーダマっぽいシールはあるけど、これは意匠じゃないと思う。

 

レーザーユニット側部。反対側にも意匠はやはりない。

 

しかし、アニメ版ではレーザーユニットもクリスモンドの力を使っている。但しこれは固有のクリスモンドに対応しているわけではない。

 

アニメ版の登場経緯は以下の流れだ。
ジークホワイターで2つのクリスモンドの力を使ったエネルギー弾を撃つ
②威力に耐えられずジークホワイターが故障する
③2つのクリスモンドの力を使ったシュートを放てるレーザーホワイターが開発される(予備機の改修)

レーザーは勝手に想像で描いた公式に存在しない意匠

「2つのクリスモンドの力を使ったシュート」と言うように、レーザーシュートの力はイレギュラーなのである。ちなみに最終機クリスホワイターはハイパービーダユニットに対応するクリスモンド1つを使っている。
それぞれの機体登場シーンでは、グレイボン博士がこのような台詞を言っていた。

 

【レーザーホワイター】
ジークホワイターのプロトタイプをエネルギー弾の衝撃に耐えうるように改良・強化したものじゃ」(20話)

※エネルギー弾=2つのクリスモンドの力を使った強力なビーダシュート

 

【クリスホワイター】
「新たに見つかったクリスモンドのパワーを使い、ケタ外れにパワーを増強したアーマーじゃ」(24話)

 

おそらくは、クリスモンドの数が減っていても、クリスモンドのパワーを引き出す機能を効率化したため、総合的に威力が向上していると解釈して良さそうだ。

 

間違えられまくるしろボン分のクリスモンド

媒体によって意匠の細部にブレがあると説明したが、別のクリスモンドの意匠と間違えられてしまっているケースがある。しろボンのVビーダアーマーのビーダユニットであるスーパーとハイパーだ。

ジークホワイター説明書

意匠一覧と見比べてみればわかるように、これはスーパーメタルユニットの意匠だ。VA-01の商品ラインナップ初っ端から間違えているのだ。この間違い、ひどいことに他のVビーダアーマーの説明書でもジークホワイターとの組み換え遊びが紹介されている箇所で間違いが波及している。最終的に正しい意匠になるのはクリスブラッカーの説明書のビーダキャリバー・パーフェクトモードへの合体説明箇所で確認できた。流石に気づくか。

 

クリスブラッカーの説明書のビーダキャリバー・パーフェクトモードの説明

 

ハイパーのクリスモンドについては、アニメ版で間違いが起きている。

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この話ではボーダー王の生存確認とともに、王が持っていたクリスモンド3つが見つかる。そのうち2つをデビルベーダーが、残り1つをビーダコップ側が入手する。クリスモンドの意匠が確認できるシーンがあるが、3つの内訳は

・サンダースキャンユニット
・ブリザードスキャンユニット
・ブローバックユニット

に見える。

 

 

しかし、ブローバックユニットのクリスモンドは34話で登場する。

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アニメアイキャッチでクリスブラッカーが登場するバージョンに映るのがブローバックユニットに対応するクリスモンドである。これは赤色だった。34話のクリスモンドも赤色だったので、辻褄は合っている。

そしてクリスホワイターのアイキャッチに登場するハイパービーダユニットのクリスモンドは黄色である。19話のブローバック意匠?のクリスモンドも黄色だった。

さらに、クリスホワイターが登場するのは34話より前の24話だ。24話までにハイパービーダユニットに対応するクリスモンドを入手している必要があり、他のクリスモンドの入手状況を加味、またアイキャッチも合わせて総合的に判断すると、19話で手に入れたクリスモンドはやはりハイパーであることは間違いなさそうだ。作画カットの意匠が間違っていたのだ。

 

クリスモンドの色

結晶体であるクリスモンドには、それぞれ色がついている。但し12色に分かれているわけでは無く、いくつか色が被っていた。

アニメの本編カットだとこのようになる。

クリスモンドの色(アニメ本編・各入手回などのカット基準)

赤、緑、黄、青の4色が3つずつで12個。配色にバランスがとれているように見えるので、これは正式な情報として良さそうだ。ファイヤーだから赤だとか、サンダーだから黄色だというわけではないらしい。ただし、46話でビーダキャリバー・パーフェクトモードになるシーンで描かれた12個のクリスモンドには青のものが映っていなかった。(色指定のミスだろうか?)

 

また、後期OPでは珠が飛び交う様子のカットがあるが、これはクリスモンドではなくしろボンたちに対応したクリスモンド風味の演出のようだ。なんなんだろうこれ。説明してくれパイレーツ。

 

クリスモンドとは結局何なのか

漫画版でクリスモンドとは何か?を改めてくろボンが説明するシーンがある。

漫画版最終話より

勇者たちの魂として12人が列聖したということだろう。固有の能力は勇者が得意としたビーダマなのだろうか?スーパーダブルメタルとかは単体で他の上位互換になってますけど。

 

アニメではクリスモンドを追って時空移動する先を「クリスモンド発見器」によって目星をつける。クリスモンド発見器は結果を数値で示し、それを爆外伝V世界の暦法で解釈する。いつも大体は「ビーダ歴」だが、「ボーダー歴」というものが2回だけ登場する。ビーダ歴は原始時代も含むのでおそらくはボン類史とは関係ない暦か、惑星系共通の暦であり、ボーダー歴はボーダーランド王国の建国あるいはボーダーランド星の有史から起算した暦なのだろう。

ちなみに最低でもボーダー歴4989年が劇中では「過去の時代」らしい。リアル人類の西暦の2倍以上がしろボンたちにとっては過去なのだ。すげえな。

クリスモンドの元となる勇者たちはそれぐらい昔の人たちなんだろうか。脚本の人そこまで考えてないと思うよ。

 

アニメ版と漫画版でジャイアントユニット対応のクリスモンドが異なる、とは前述したが、これに対応する勇者は漫画版には12番以内に収まり、アニメ版では13番目に列席した(のでギリギリクリスモンドにはならず後世に残らなかった)ということにはならないだろうか?まあ、アニメにはそんな設定はない(はず)だし、ただの妄想なんですけど。

 

クリスモンドについてまだわからないこと

最後に、知りたかったもののどうしてもわからなかったことについて。

 

クリスモンドの構造は半透明の球体にダイヤカットされた宝玉が入っているデザインだ。
これ、なんとかして現実で作れないだろうか?

 

私は透明な素材で工作をしたことはないのだが、透明レジンを使っていい感じに出来るのであればやってみたい。だが、中のダイヤカットの宝玉が何面体なのかが全く分からない。

意匠のある面は正六角形で、後は三角形か菱形の面で構成されているように見える。

 

 

Wikipediaをはじめ、Webで調べた範囲ではクリスモンドの多面体と特徴が合致するものは見つけられなかった。誰か知ってたら教えてください。ほんまに。半透明の物体を半透明の素材に浮かして成型できる方法も知りたいです。

半正多面体 - Wikipedia

 

 

おわりに

クリスモンドについて調べようと思い立った時は、これだけ色々な要素が出てくるとは思わなかった。まとめる作業は結構しんどかったし、矛盾や差異についてかなり困らされたのだが、やってみて良かったと思う。

 

ビーダマンの説明書は遊び方を紹介した「作戦」や、爆外伝IとIIとIIIではストーリーが展開されていたり、今回はクリスモンドの意匠が載っていたり、組み立て以外の情報が盛り込まれていたりするので侮れない。

 

最後に、情報提供や相談に協力いただきました方に感謝申し上げます。

 

 

 

意匠一覧は…いつか…描き直したい…(作ったデータの元は.svgだし…)

3Dプリンター活用技術検定試験を受験した

タイトルまんまの話。

 

4月に受験した3次元CAD利用技術者試験2級については以下の記事を参照のこと。

mosaku-rx.hatenablog.com

3Dプリンター活用技術検定試験とは

3Dプリンターに関する民間資格。国内唯一だそうです。

ACSP(一般社団法人コンピュータ教育振興協会)によって運営されている。

3Dプリンター活用技術検定試験概要 - 3Dプリンター活用技術検定試験 - ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会

1級2級などのクラス分けは無い。

CBTにより、各県のテストセンターで受験できるが、前期と後期で各1か月ずつしか受験可能期間が無いという謎の制限がある。

※参考 2023年受験スケジュール

前期:2023年9月1日~9月30日

後期:2024年2月1日~2月28日

ちなみに3次元CAD2級の方はテストセンターで受験直後に合否がわかったが、こちらは何故か約1か月後に合否がインターネット上で開示される。なんでや選択問題しかない=採点楽やろ!

 

受けた理由

ノリ。こちらにはあまり時間は割かなかったが別の資格(そっちが本命)も同時並行で学習していたので割とキツかった…

 

どんな分野が出題されるか

以下公式より引用。

3Dプリンターの基礎知識
3Dプリンターの造形材料
3Dプリンターの造形用データ
3Dプリンターの用途
3Dプリンターの造形方法
・材料押出(熱溶解積層)
・液槽光重合(光造形)
・材料噴射
・結合剤噴射
・粉末床溶融結合
・シート積層
・指向性エネルギー堆積
3Dプリンターの活用
3Dプリンター活用の前準備
・用途別活用事例 

 

まさしく3Dプリンターの仕組みや用途例などが問われる。

一覧にあるように家庭用のFDMや光造形に留まらず、他の造形方法のプリンタの仕組みや特徴(サポートの有無、含侵処理、カラーの可否など)頭に入れておかないといけない。

 

難易度

合格率80%付近だそうです。かなり簡単なほうかと。

勉強方法

ACSPが公式ガイドブックを出しており、これを読んでおけば基本は大丈夫。

以前受けた3次元CADの方は毎年版数を重ねているようだが、こちらは初期版(表紙が青い)と改訂版(表紙が赤い)の2つしか出回っていない模様。

案の定普通に買うと高いのでフリマサイトで古本を買って読みました。

勉強期間

期間で言うと5月~9月の5か月ぐらいだが、かなり散発的にやってたので累計10時間程度のみ。

受けるメリット

こういうとアレだが、3次元CAD利用技術者試験に比べても割とマジでメリットが思い浮かばない。

CADを使う仕事の人や、その業界に入りたい人が能力証明に使ったりとかが主になるだろうが、3次元CAD利用技術者試験の方が知識を活かしやすいと思う。ACSPくんもうちょっと利点についてうまくひねり出せるよう頑張ってくれんか?

そして試験費用が高い(8,800円)。IPAより高い。賞状も郵送してくれない。話のネタになるぐらい。そのお金でフィラメントを買ってください。好きなもんをバリバリ作る方が良いと思いますよ。

 

【BB爆外伝I・II】アレンジバトルシールを集めてみた

まえがき

ボンバーマンビーダマン爆外伝。

20余年前に展開されたビーダマンのコンテンツの一つだ。

 

爆外伝はシリーズで5つの作品が展開された。

今回はシリーズの初期展開である爆外伝IとIIの時期に流通したアレンジバトルシールというものを紹介したい。

 

コレカの話と同時にしようか迷ったけど別建てにしたよ!


1.アレンジバトルシールの概要


アレンジバトルシールは前回のコレカと時期的には近い商品だ。キャラクターは爆外伝I・IIから収録されている。コレカと比べて、大きな特徴が2点ある。

 

1.1.シールとカードの組み合わせ要素あり

一袋にはシールとカードが1枚ずつ入っている。

カードにはシールを貼るための貼り付けスペースがついている。シールとカードの絵柄が合わさるわけではないが、攻撃力・防御力の数値を組み合わせることができる。

対戦ルールについては後述する。

 

 

 

シールはカードに貼れるようにハーフカットされている

貼り付けてアレンジ完了!

 

2重スリーブにして内側のスリーブにシールを貼るとカスタム性を維持できるぞ!




1.2.おそらく駄菓子屋流通?

パッケージングからして、おそらく駄菓子屋流通を前提とした商品なのではないだろうか。


・紐にシールとカードの入ったポチ袋的なものがぶら下がっている

・販売はポチ袋単位

・ポチ袋にはバーコードが記載されていない

・「当り」が存在する


ポチ袋を紐からちぎるように引っ張り、20円支払い、開けた中から当りが出ればもう一つもらえる。駄菓子屋でよく見た風景だ。

 

紐で束にされている

 

当り券。低確率で封入。



爆外伝Iについてはコレカとラインナップが大部分で被っており、写真や説明文が流用されている。

 

No2.くろボンの比較(表)

No2.くろボンの比較(裏)

 

 

2.シール・カードリスト


2.1.リスト

シールとカードの種類は下記の通り。

シール:25種類

カード:24種類

シールとカードのNoは連番になっており、カードはNo.26から始まる。

左:シールリスト 右:カードリスト

シールNo.1-20

シールNo.21-25

カードNo.26-34

カードNo.35-43

カードNo.44-49+当り券

コレカと同じく、ガトリングアーマーがいない。コレカは爆外伝Iしか収録していないこともあり、最終商品のガトリングアーマーが抜けている理由は理解できたが、こちらはなぜ抜けているのだろう…?


爆外伝IIの選出基準も謎である。レオ・イーグル・シャークボンバーメイルの炎のメイル3名はいないのに炎の魔神はいる。でもウルフ・オックス・リノは単独でもいるし水の魔神もいる。地の魔神とフェニックス・モールも揃っている。謎だ…

 

君ら2体合体構成なんだからシールとカードで別れればよかったのに…

 

 

そして光の竜神の写真が間違っている。兜部分を見ればわかるが、レオボンバーメイルが搭乗している時はプログレスモード・炎の竜神である。しかし表記は光の竜神となっている。闇の竜神も同様の間違いで水の竜神の写真になっている。さらに地の魔神もプログレスモードだ。間違いまくりだ。

 

我らプログレスモード!

2.2.パラレルの存在

 シールにはいくつかパラレルがあることがわかっている。キラ加工がしてある。

 

ノーマルとパラレルの比較

所持している分のパラレルシール

 カードのパラレルはどうやらなさそうだ。

 シールのパラレルは全種に存在するかはわからない。

 

 ちなみに、ノーマルとパラレルでハリケーンボンバーメイルのノーマルが番号表示が抜けている。元データの管理をミスったのだろうか。

 

ハリケーンボンバーメイルのノーマルには番号が無い。写りが悪いので見えにくいがパラレルには番号が付いている。

3.対戦要素

3.1.基本ルール

 コレカには強弱を決められそうな数値はHPしかなかったが、アレンジバトルシールには攻撃力と防御力の概念が存在する。カード裏面にはルールも記載されている。

 

対戦ルール

シールが基本攻撃力・防御力となり、カードで+αする形だ。

 

逆じゃない?カードが先にあってシールで強化するのではなくて?ベイブレードC.C.Gのビットチップシールとかはそうだよ?というかルール文章で「カード」って単語の方を主体にしてるなら、なおのことそうすべきじゃない?


 シールとカードの主従は置いておくとして、実にわかりやすいルールだ。駄菓子屋で友達と一緒に買った後に開封し、カードにシールを貼り付けてお互いの役を見せ合って勝負!という感じで遊ばれたのではないだろうか。

 

 お互いの攻撃力が相手の防御力を上回っていた場合は、より攻撃力の強い方の勝ちでいいのだろうか?


 カードの中には、2枚目が使えるものがあるというルールも存在する。こちらはその場ではなくコレクションから選出して役を用意する感じだろうか。

 全カードのうち、2枚目使用可能なカードは全て防御表示の部分に書いてあり、攻撃部分の表示に書いてあるものはない。2枚目は防御のみ適用なのだろうか?攻撃も付加されるのだろうか?おそらくされるでいいと思うが…

 

3.2.最強カード

「最強カードを作るのも夢じゃない!」と書いてあるので、最強カードを模索してみた。
リストから洗い出した結果、最強の役はこれだと思う。(ルールを勘違いしていないければ。)

これが最強の役だ!

1枚目:ハリケーンボンバーメイル+風の魔神(攻撃力240+170=410、防御力170+Card)

2枚目:ボンバーソアラー+水の魔神(攻撃力230+160=390、防御力210+150=360)

総計:攻撃力410+390=800、防御力170+360=530

2枚目の攻撃力も上乗せされる前提であれば、これが攻撃最高値のはずだ。

ダブりがありなら2枚目シールもハリケーンボンバーメイルにすればいい。

 

2枚目に上乗せできるのは防御力のみとすると、2枚目シールがバットボンバーメイルに置き換わる。(攻撃力190、防御力220)


4.現在の入手難易度

 コレカと同じく、爆外伝系の中では入手難易度は低いと思われる。束で流通しており、シール使用済み中古の状態で流通しているのを見たことが無い。


おわりに

コレカに比べて対戦ルールを規定しており、一袋分でも勝負できるので、駄菓子屋流通にはぴったりの内容となっている。(菓子はついてないけど)

また、シールとカードを組み合わせるのも遊び心があると思う。

惜しいところは何点かある。

・キャラクターの選出基準が謎なこと(炎のメイルは入れようよ)

・シールとカードの主従を逆にしたほうが良い(シール貼ったカードで対戦前提だし)

・誤字・誤記の校正がされてないこと(竜神の写真間違いや説明文の誤字がある)

もう少しこの辺が詰められていればよかったと思う。

 

アレンジバトルシールも、ビーダマンのカードの中でも最も集めやすい部類のものと思われる。興味あれば是非手にとって見てはいかがだろうか。

 

【ビーダマンボンバーマン爆外伝】 コレカを集めてみた

まえがき

BB爆外伝は20余年前に展開されたビーダマンのコンテンツの一つだ。

シリーズで5つの作品が展開された。

そのうち、あまり知名度がない爆外伝Iについて、トレカ系の商品がある。

 

今回、それを集めたので紹介していきたい。

 

1.コレカの概要

コレカは爆外伝Iのキャラクターのコレクションカードだ。

コロコロでも紹介されている。

月刊コロコロコミック1996年3月号より

情報をまとめるとこんな感じ。

種類:全33種(ノーマル25種、キラ8種)

価格:11枚入り200円

売店イトーヨーカドー、ローソン

販売時期:1996年3月下旬~

 

カードの表面にはキャラクターが、裏面には爆外伝ストーリー情報が書かれている。

ストーリーというがプロフィールレベルでは…という内容ではあるが、爆外伝Iは爆全集と一部玩具説明書ぐらいにしか載っていないようなので、この程度でも貴重な情報源と思われる。

 

ちなみにパッケージのデザインは2種類あるっぽい。

パケ写真は用意してないのでググってね)

 

ちなみに、私は店頭で並んでいるのを見た記憶がない。

(居住地域にヨーカドーがなく、ローソンも身近ではなかった。それ以外の店舗にもあったかもしれないが特に記憶がない)

 

2.コレカのカードリスト

爆外伝Iを中心に、その当時に展開されていたビーダマンが収録されている。

爆外伝Iとは別にスパボン3の枠があり、ボンバーキッドが収録されていたり、爆外伝Iの括りにされていたヨロイビーダマンやボンバーアーマー、ガトリングアーマーが収録されていなかったりする。

コレカ_カードリスト

 

 

 

No.1-9

No.10-18

No.19-27

No.28-33



実は当時のコロコロコミック1996年4月号には全カードがイラスト付きで載っている。

 

3.コレカの対戦要素

カードと言えば対戦要素(?)だが、コレカには対戦できるような要素は無い

カードにはHPが記載されているが、それだけだ。HPの高低で競っても一番強いカードを持って居た方の勝ちになってしまい、戦略性がない。

単純にHPだけで比べるとスーパーボンバーアーマーが最も数値が高い。(1000)

裏面にはレーダーチャートがあるが、これを対戦に活かすには難しいだろう。

 

 

4. それでもコレカで対戦するなら?

せっかくなので、戦略性が出そうな遊び方を提案してみる。

①お互いカードを3枚選んでおき、相手にわからないように伏せる。

(裏面を覆うスリーブにでも入れておく)

②出す順番を決め、順にオープンしていく。1回ごとにHPが高かった方に1pt。

③3回勝負が終わった後、お互いのHP合計値を求める。

 手順②でより多く負けた方が、勝った方よりHP合計値が少なかった場合、1pt。

④手順③終了時、ptが拮抗していた場合、最大HPのカードを持つ方が負け。

 

つまり、HP合計値の少ない手札に押さえながら、手順②で勝てるようにカードを選ぶゲームというわけだ。

 

絶対に誰もやらないな…

 

5. 現在の入手難易度

試しに買ってみる程度なら難しくはない。

ヤフオクやフリマサイトで出品されているのを買ってみればいい。未開封もそれなりに流通している。

コンプとなると少し難易度が上がるが、開封済のものをちょいちょい買えば揃えることはできるだろう。実際自分はそうやった。数日や一ヶ月でコンプは無理だが気長にやれば揃う。

キラカードはレアではあるが、特別高騰しているようなものはない。

 

おわりに

コレカはビーダマンのカードの中でも最も集めやすい部類のものと思われる。

興味あれば是非手にとって見てはいかがだろうか。

3次元CAD利用技術者試験2級を受験した

タイトルまんまの話。

3次元CAD利用技術者試験とは

3次元CADに関する民間資格の一つ。

ACSP(一般社団法人コンピュータ教育振興協会)によって運営されている。

前身のCADインストラクター認定試験は1990年から創設され、現在のCAD利用技術者試験になったのは1994年からであり、割りと年季は入ってるらしい。

 

1級、準1級、2級にクラス分けされている。

自分が今回受けたのは2級。2級はCBTによりテストセンターで受験できる。

(受験日はテストセンターの空き日を見て自分で決められる)

 

1級と準1級は年に2回のみで、指定会場で受験する必要がある。

 

 

受けた理由

・3DCAD関連の情報をネットで漁ってたら見つけたので、興味本位で

・もともと資格取得自体が割りと好きなので

 

 

どんな分野が出題されるか

試験では下記のように4分野で定義されている。

  • 3次元CADの概念
  • 3次元CADの機能と実用的モデリング手法
  • 3次元CADデータの管理と周辺知識
  • 3次元CADデータの活用

3Dプリンタ勢やそこそこCADソフトを触ってる人だとモデリングに関する内容は割りと楽勝だと思うが、CAE・CAMやBPRなど製造業に絡む知識分野については新たに覚える必要がある。

 

後は基本的なコンピュータ知識(主記憶装置、ルータやLAN、セキュリティなど)も問われるが、知識レベルはITパスポート程度と思われる。(自分はiパス持ってなくて基本情報以上しか持ってないのでわからないが、本試験は本当に入門的なIT知識で大丈夫)

 

 

難易度

2級は選択問題のみで、ちゃんと勉強したら大体の人が取れる資格だと思う。

と言いつつも、なんとか一発合格でした。そこそこ危ういところがあった…。

 

いくつかの出題の仕方でセクションが分かれているが、面倒なのは「~に関する文として正しいものは、いくつあるか。」というタイプ。

4つの文が出てきてそれらの正誤の数を数えるのだが、1文だけ正誤がわからなかったりすると回答できなくなってしまう。

 

例えば、下記のような問題。

-----------------------------------------------------

次の4つの中で文として正しいものは、いくつあるか。

・りんごは果物である

・みかんは果物である

・メロンは果物である

・はくさいは果物である

-----------------------------------------------------

りんごとみかんは果物で○で確定、はくさいも野菜なので×、あれ、メロンってどっちだったっけ…と判断できない状況に陥ったとき、回答すべきは(合っている数が)「2」か「3」になる。

 

りんごとみかんとはくさいの正誤がわかっていても、メロン1つの知識があいまいなので、メロンをカウントするかどうかで判断が割れる。

文のうち1つでも回答に自信が無いと、いくつ正しいか回答出来ず、困ってしまう出題なのである。

なので、後述するガイドブックをきちんと読み込んで少しでも正確な知識を頭に入れておく必要がある。

 

勉強方法

ACSPが公式ガイドブックを出しており、これを読んでおけば基本は大丈夫。

ただし定価だと4000円強となり、結構高くつく。自分は古本屋より半額以下で購入した。ガイドブックは年度ごとに改版がされているが、よほど古い年度のテキストでない限りは通用するだろう。

実際、5年ぐらい前のテキストを使って勉強したが、テキスト付属の過去問と全く同じ問題も割りと出題されている。

勉強期間

おおよそ4ヶ月程度。しかし実際に腰を据えて勉強したのは累計15時間程度で、大してリソースは割いていない。

もともと3月に受験するつもりだったが、何故か3月は受験対象外期間だったため、4月の受験予約開始日に速攻で申し込み、申込日の週末に受験した。

 

受けるメリット

正直なところ、ほとんどの人はメリットが無いと思う。お金もかかるし。

CADを使う仕事の人や、その業界に入りたい人が能力証明に使ったりとかが主ではないだろうか。

 

自分としては、Fusion360をがむしゃらに触ってきて得た断片的な知識の状態から、受験勉強を通して、3次元CADの知識を整理することが出来たので、まあまあやって良かったなとは思っている。

 

さて、1級はどうしようかな…。

わたしの相棒、ドラシエルF

 ある日の夕方、寒空の下わたしは自転車を必死に漕いでいた。行き先は町の玩具店だ。

 

 当時小学生のわたしにとって、決して近場ではないその道のりを、興奮冷めやらぬ思いで急いでいた目的があった。

 

 ベイブレードだ。

 

 90年代後半から00年代初頭にかけて、わたしが当時ハマっていたのはビーダマンなどの別のホビーだった。コロコロコミック読者だったわたしは、ベイブレードはホビーの初報も、漫画の新連載もリアルタイムで見ていたが、お小遣い事情が厳しかったことや、既にハマっていた別のホビーを優先していたこともあり、実物を買う機会は少し遅れた。

 

 ベイブレードを買おうと決心したきっかけは、小学校の友達の間で本格的にベイブレードブームが来たことである。友達グループが皆ベイブレードを持ち始めたのは、2001年の秋の頃であった。

 

 ある日の放課後、学校から帰宅したわたしは、意を決して母親にベイブレードを買いたいとねだった。「欲しいものは都度申告し、許可されたらその分の額を支給してもらえる」というのが我が家のお小遣い制だ。定期定額の支給はなく、資金のプールは出来ない。月に一度のコロコロや、既にハマっていた他のホビーのためのお小遣いを不定期にもらえることはできていたが、許可が降りないことの方が多い。無闇矢鱈にねだっても買ってもらえるわけじゃない。当時の経験上「親からみて、新しいジャンルの玩具はねだりにくい」という認識があった。

 

 ところが、その日はなぜかすんなりと許可が降りた。ベイブレードをひとつ買える分だけのお小遣いをもらったわたしは、嬉しさのあまり家から弾き出されたように飛び出し、自転車で玩具店に急いだ。買えるならはやく欲しい。きょう欲しい。いますぐ欲しい。買ったら、あした小学校でその話をしたい。学校が終わったら対戦したい。

 

 わたしは当時、西日本の小さな町の外れの山あいに住んでいて、家から玩具店まではそこそこの距離があったが、その日のペダルはとても軽かった。夕闇の中自転車を走らせると、冷たい風が顔に当たり、耳は冷え、鼻は垂れ、凍えそうになるが、心は熱を帯びていた。

 

 長い道のりを経てとうとう玩具店に到着し、お目当てのベイブレードコーナーにたどり着いた。欲しかったのは主人公の使うドラグーン…だったが、それは売り切れだった。陳列されていたのは「ドラシエルF(フォートレス)」。

 

 爆転時代のベイブレードには聖獣という生き物が宿っている設定がある。主人公チームが持つベイブレードには、それぞれ四神の青龍・朱雀・白虎・玄武が割り当てられている。ドラシエルは玄武。つまり亀だ。それに比べると龍・鳥・虎の方がわかりやすいカッコよさがある。

 

 その時は「ドラシエルか~…」と目当てではなかったためやや落胆したものの、ドラシエルFは当時だと比較的新商品だった。それはそれで魅力的。スターターなのでシューターもついている。他の店に行く当てもない。少し悩んだ末にこれを買うことにした。

 

 翌日以降、わたしは満を持して友達とベイバトルをすることが出来た。なかなかどうして、戦績はそれなりに良かった。友達は攻撃型のベイブレードでスタジアムを派手に暴れまわるが、暴れすぎてスタジアムから飛び出し自爆するか、スタミナが切れて先に回転力を失ってしまう。対してドラシエルFは動きこそ地味だが、しっかりと中央に陣取り、メタルボール軸で最後まで安定して回転した。フォートレスの名に恥じぬ、要塞のような安定感だった。

 

 買ったときは目当てではなかったものの、この安定感、扱いやすさによりドラシエルFはわたしの相棒になった。その後、ベイブレードを買い増していったが、ドラシエルFはベイバトルでの使用候補には必ず入るベイブレードだった。ウェイトディスクをエイトバランスからワイドディフェンスに替えた程度で、他のパーツはいじらずにそのまま使えばそこそこの勝率を保っていた。

 

 ドラシエルを愛用した理由はもうひとつあった。その時の友達が偶然にも主人公チームのベイブレード、ドラグーン・ドランザー・ドライガーの愛用者が揃っていたのである。わたしがドラシエル愛用者であることは、四神が揃うことになるため、とても「収まりが良かった」。

 

 ベイブレードは、その時流行りだった他の玩具や、カードゲーム、ビデオゲームといったものに比べ、多人数で同時にワイワイ遊ぶのに向いていた。簡単に乱戦が出来る。パーツに詳しくなくてもバトルが出来る。ルールや勝敗がわかりやすい。戦略を組むことも出来ればラッキーパンチもある。30秒から1分程度で決着がつき、直ちに次のバトルが出来る。戦うベイをすぐに入れ替えることが出来る。そして回転方向、軸心の形状、重さ、磁石、ゼンマイの軸といった多種多様なパーツ…。小学生のお小遣いの範疇で買い集めたベイブレードを、思い思いの「最強」に仕上げていく。それは自分のベイだけではなく、相手のベイのカスタマイズについても、関心や発見があった。

 

 片田舎に住んでいたこともあり、距離の問題で残念ながら公式大会に出たことはなかった。それもあるのか、現代になって当時の爆転世代ベイブレードの強さの話をインターネットで見聞きすると、私の見解・遊んだ環境とは異なるものや知らなかったことがぽろぽろ出てくる。そのギャップもまた楽しい。

 

 わたしの周りのベイブレードブームは、小学校6年生の下期あたりで終息していった。わたしも、終息に伴い対戦相手が減っていったことで興味が薄れていった。中学校入学を控え、同級生はベイブレードに限らず、ホビー全般から卒業する雰囲気に変わっていった。わたしはそれに物悲しさを感じつつも、次第に受け入れていった。

 

 

 

 

 あれから20年近く経過した。私はもう30代になる。いい年こいたおじさんだ。引っ越しも何度もした。それでも、ドラシエルFは手元にまだ置いてある。

 

 度重なるベイバトルで、通常シールから貼り替えた雑誌付録の特製ドレスアップステッカーははじけ飛び、ベイ全体にキズや欠けがある。

 

 そんなボロボロの小さなコマを見るたびに、私はあの楽しかった日々を思い出すのだ。

 

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